小石川後楽園 おまけの九八屋


ほどほどがよし、と伝わるかな?

 小石川後楽園の奥に、「九八屋(くはちや)」という建物があります。広重の浮世絵にありそうな、バランスのいい茅葺き屋根の建物です。

 庭園散策中にちょっとお休みする東屋かと思ったのですが……。

 案内の看板をそのまま転載します。


 江戸時代の風流な酒亭の様子を現した。この名の由来は「酒を飲むには九分夜は八分にすべし」と酒飲みならず万事控えるを良しとする、との教訓による。戦災により焼失したが昭和三十四年に復元した。


 なかなか衝撃的な解説でした!

 1.昼間の方がいっぱい飲んでいいんだ

 2.八分、九分飲むって、控えてるんだ

という2点で。

 これ、出典が書かれていず、ネットでサラッと検索した限りではここからの引用ばかりだったのですが、何かに書かれていたのか、それとも当時の人たちの間で普通に言われていたことなのか。興味あります。

 結論は「万事控えるを良し」ですが、たぶん、九分以上の人の頭に残るのは「昼は九分、夜は八分」でしょうね。


 しかし、そこから建物に「九八屋」と名付けるところが粋ですね。「二八そば」を連想させるような、庶民的な感じがお殿様にウケたのか。

 しかしそもそも、どうして水戸藩上屋敷のお庭にこんな酒亭を建てたのか。普通、お茶室か東屋と言って、時にはお酒も、となったのでは。

 ここは花菖蒲田を見渡せる位置にあり、少し出れば松原越しに大泉水も見渡せるので、花を肴にとか、水面に揺れる月を見ながら杯を傾けるのも情趣があっただろうことは、目に浮かびます。そこに風流ぶったものでなく、「町の人が飲みに行くお店のようなものを建てて一杯やろう、ほどほどにね」というところに遊びや洒落が感じられて、いま訪れる私たちもニヤッと心をほどかれるのでした。


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