
2016年4月14日夜から、震度7を2回、6強を2回、6弱を3回も観測した熊本の地震で、熊本市の象徴である熊本城は、大きく損傷を受けました。それは報道を通じて知ってはいましたが、実際に訪れて目にすると、想像以上の状態でした。
地震から2年半も過ぎているのに、石垣は至る所でガラガラと崩れ、未櫓は建物の下がえぐられているような不安定な状況に、ショックを受けました。
現在の熊本城は、安土桃屋か時代から江戸時代にかけて加藤清正が築いたものです。400年もの間、明治時代の熊本地震で一部の石垣が崩落するなどして改修を経ているとはいえ、かつての姿を保っていましたが、これほどまでに壊れてしまったのです。
崩れてバラバラになった石垣の石には、ひとつひとつ番号が振られ、位置などがわかる形にして元の状態に戻すよう、復興が進められています。並べられている石、崩れたままの石の数を見ても、元通りにするのは気が遠くなるような作業です。
私がよりショックを受けているのは、2007年に築城400年ということで本丸御殿などの建物が復元されたときに取材させてもらい、まさにピカピカの状態を見ていたからです。
そのときの写真が、下記です。
熊本の街には見たところ日常生活が取り戻されていましたが、熊本城が元の姿に戻らないことには心理的な復興は果たせないのではと感じました。
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