地形を変化させて、良港に
磯の鵜の鳥りゃ 日暮れにゃ帰る 波浮の港は 夕焼け小焼け♪
野口雨情の歌詞で頭に残っている波浮港を、見晴台から見下ろしました。
大きく湾入した港は、江戸末期から風待ちの港として船がこの湾を埋め尽くすほど集まって、上陸した船乗りや観光客は肩を触れずに歩くことができないほどだったのだそうです。旅館、お茶や、カフェ、映画館がごく狭い平地に軒を連ねていた様子は、静かな現在の様子からは想像できません。
賑わった湾内から急な崖を上った上に、網元は大きな屋敷を建てて優雅な暮らしをしていました。下は稼ぎの場、上は暮らしの場とはっきり分かれているのがおもしろいです。現在はだいぶ空き家が増えているようですが、若い人が移り住んで鯛焼き屋さんのお店を出していたりして、新しい時代の兆しが見られます。
この波浮港は、元は火山の火口湖だったのだそうです。島の南の端にあった火口湖の海側が元禄16年(1703)の元禄大地震と津波で崩れ、海とつながりました。おかげで港にぴったりの地形になりましたが、そのままでは岩がゴロゴロしていて船の出入りには危険。
それを見て、房総半島から渡ってきた秋廣平六という人が開削事業を行って、波浮港を開いたのでした。
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